眼の基礎体力測定、「見る力」を評価

 本協会の前身であるスポーツビジョン研究会(以降:研究会)が発足した1988年から2006年頃までは、測定方法が確立されておらず、測定者によって結果にばらつきが多く存在しました。しかし2007年に専任者が測定をおこなうようになって、ある程度の再現性がある測定ができるようになりました。

 研究会は30年間で約3,500人の測定を実施していますが、2007年以降に実施した測定者は1.000人弱で、これもあらゆるスポーツ選手、学生、審判、一般の合計数です。各スポーツの競技特性に合わせた根拠ある結果をフィードバックするためには、まだまだ測定者が少なすぎます。

 過去のスポーツビジョン測定は、8項目で30年間続けてきました。しかし単眼、裸眼と矯正視力の比較、両眼視機能を測定しておらず眼科的に大きな課題がありました。さらにある項目では、様々な要因から再現性の低い測定器を使用していたという問題もありました。

 過去の測定結果のまとめ方は、8項目それぞれを20数年前に研究会が独自に定めた5点満点の5段階で評価し、合計点が40点満点に近い方が良いという評価をしていました。対象者の年齢、スポーツ競技、競技レベルが異なっても、同じ方法で評価していたため、これでは年齢別、競技別、競技レベル別に医科学的に意味のあるフィードバックとはいえず、測定者からの細かな要望に応えられませんでした。

 これらの理由から日本スポーツビジョン協会(代表:長田 夏哉)は、2019年4月から測定項目を一新させ医科学的に根拠のある「新スポーツビジョン測定」を実施することにしました。評価方法も測定者にとって最新かつ本当に意味のあるフィードバックがおこなえるように、評価基準を常に更新させていきます。

新スポーツビジョン測定の特徴

①視機能だけでなく視覚能力や視覚と身体の協調性など、スポーツ競技において選手に必要と思われる能力の測定を重視しました。

②スポーツ競技中、選手の視覚能力は身体を安定させた測定より身体を不安定にして実施する方がより的確であるという理由から、過去の一部の検査を選手の身体をあえて動的な状況において実施するトレーニング種目に移行させ、目的を明確にすることでより効果が上がるように測定項目を精査しました。

新スポーツビジョン測定項目・矯正の考え方

 矯正とは、スポーツ選手の低下している視覚能力を矯正して、競技力を向上させようとすることです。その方法として、視力矯正と視覚矯正が考えられています。

  • 視力矯正は、視力の低下している選手にコンタクトレンズや眼鏡を装用させ、視力を向上させようとするものです。
  • 視覚矯正は、バランスボールやバランスボード、バランスディスクなどを使用して選手の視覚の能力を向上させようとするものです。

新スポーツビジョン測定の項目・種目

日本スポーツビジョン協会(代表:長田夏哉)は、2019年4月から新スポーツビジョン測定項目・種目を設定しました。

測定種目の説明

  • 静止視力 一般に視力として測定されているものです。
  • KVA動体視力 前方から直線的に時速30kmで接近してくる単位指標を、正確に読むことができるか測定します。
  • 深視力 奥行きを認識する感覚です。遠方と近方で離れた2点の距離の差を区別できる最小値を測定します。
  • 立体視 左右の眼の網膜に映った映像のズレで外界を立体的に感じる・見ることができる能力を測定します。
  • 瞬間視 9桁の数字を表示し、記憶した数字の正解数を測定します。
  • 眼と手の協応動作 ランダムに点灯するライトを指先で押し、その速さを測定します。

新スポーツビジョン トレーニング種目

日本スポーツビジョン協会(代表:長田夏哉)は、2019年4月から新スポーツビジョントレーニング項目を設定しました。