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第21回スポーツビジョン研究集会 教育講演

脳卒中のリハビリにも有効だった ビジュアル・トレーニング
〜左半身マヒ、左視野75%欠損を克服して社会復帰を実現

篠田秀美(ヒデミック学習ビジョン研究所代表)


 篠田秀美の実体験を紹介。2013年1月5日、右脳からの脳内出血で左半身マヒとなり、左視野を75%欠損したが、自身が開発したヒデミック式視力向上タッチパネルとアイストレッチャーで、通常のリハビリプログラムにはない「視野の回復と脳を活性化する」ビジュアル・トレーニングを採り入れた結果、視野を100%回復。さらに、「眼と体の協応運動」のトレーニングで麻痺した左半身の筋肉もみるみる動かせるようになり、わずか3ヶ月ほどで退院して社会復帰を果たすことができた。これらの経緯と具体的なトレーニング法についてお話しする。なお、この事実について担当医師は、これまで視野の欠損は脳の問題と考えられており、麻痺した眼球の筋肉を動かすトレーニングをするという発想はなかったと、このトレーニング法を高く評価した。

 

 現在の日本は、高齢者向けのリハビリプログラムはあっても、脳卒中患者が退院後も自主的に続けることができるリハビリプログラムは普及していない状態である。たとえば脳卒中患者の場合、たとえ視野を回復しても、自分が意識して見ている空間の片側を見落とす「半側空間無視」という脳の障害が現れることが多く、日常生活に支障をきたすことも少なくない。このような様々な症状を克服しながら社会復帰を果たしたいと願う脳卒中患者にとって、私がこれまで研究・開発してきたビジュアル・トレーニングが有効なリハビリプログラムになる可能性があることを報告する。

 

【略歴】

ヒデミック学習ビジョン研究所代表。

眼チカラUP動体視力をはじめとする総合視機能の向上と脳の活性化を目的とした”学習ビジョン”を提唱し、タッチパネルを使った独自のトレーニング法を開発。

子供からシニア、プロのスポーツ選手からビジネスマン、障害を持つ児童にいたるまで、トレーニングを実施している。


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右脳からの脳内出血による左視野75%欠損を
ビジュアル・トレーニングにより克服したリハビリ法

脳出血で倒れて左半身マヒに

 頭の中でかすかに「プチッ」と音が聞こえたと思ったら、崩れ落ちる自分の体を支えることができなくなりました。2013年1月5日の午後1時過ぎのことです。すぐに最寄りの病院へ緊急搬送されて検査を受けると、右脳の視床の辺りから出血していることが判明。異変から2時間半くらいは意識があったのですが、その後は意識不明に。目が覚めたのはそれから実に7日後のことでした。それから3日ほどかかって意識が次第にはっきりしてきました。当初、左半身は完全にマヒ。言葉もろれつが回らず、左手・左足はまったく動かすことができません。短期記憶もあやふやな状態の中で、ほどなく理学療法士さんや作業療法士さんたちとの急性期リハビリが始まりました。

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ビジュアル・トレーニングによるリハビリ開始

ビジュアル・トレーニングによるリハビリ開始 写真 入院から2週間ほど経って、視覚検査を行ったときのことです。自分では何の問題もないと思っていたのですが、検査の結果、左右180度の視野のうち、左側の視野の75%が欠損していました。自分の視野が欠損していると知り、私はショックのあまり泣きました。でも、私はハタと気がつきました。自分が考えた視覚トレーニングは、脳出血の後遺症改善にも有効なのではないか。病院の理学療法士や言語療法士の先生方にも相談のうえ、ヒデミック式視力向上タッチパネルとアイストレッチャーを持ち込み、通常のリハビリプログラムにはない「視野の回復と脳を活性化する訓練」を採り入れてもらいました。まず、1から20までの数字が散らばっているヒデミック式視力向上タッチパネルを使って、自分の視野で見えていない場所を確認。次にアイストレッチャーを使って、うまく動かせていない眼球の筋肉を鍛えるトレーニングをします。さらに、麻痺している左手左足を介助してもらいながら、タッチパネルの数字をひとつずつタッチしていくことで、左手左足を動かす訓練もしました。

 

リハビリ 写真 リハビリ 写真

 

 

ビジュアル・トレーニングの成果

 上記のトレーニングによって想像以上の効果が表れました。視野は劇的に改善し、見えなかった左側の空間がほとんど見えるようになったのです。担当医師は、これまで視野の欠損は脳の問題と考えられており、麻痺した眼球の筋肉を動かすトレーニングをするという発想はなかったと、私のトレーニング法を高く評価してくださいました。これをきっかけに、私がこれまで研究・開発してきたトレーニングが、脳卒中のリハビリにも大いに役立つことに気がつきました。というのも、ヒデミック式のトレーニングというのは、視覚機能の向上だけではなく、「目で見たものを脳ですみやかに判断し、すばやく体で反応する」という一連の流れを訓練するものだからです。その一連の流れを訓練するうちに、欠損した視野を回復させるだけでなく、麻痺した左半身の筋肉もみるみる動かせるようになり、こうして社会復帰を果たすことができました。

ビジュアル・トレーニングの成果 写真


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